きちんとした歯みがきで病気の原因の歯垢を取り除く
歯みがき(ブラッシング)の目的は、歯ブラシの毛先で歯垢や食べかすをはじき飛ばして、歯から取り除くことです。歯に歯ブラシをあて、むやみにゴシゴシこすっても歯垢や食べかすをはじき飛ばすことはできません。また、ほどよい力できちんとブラッシングをしているつもりでも、部分的にみがき残しをしている場合もあります。自分のみがき方の欠点を意識しながら歯みがきすれば、しだいにきちんとしたブラッシングが身につきます。また、ムシ歯や歯周病の菌を繁殖させないためにも、食べたらできるだけすぐに歯をみがくようにしましょう。
歯垢がつきやすい部分を知っておこう
歯垢や食べかすは、どんな人の歯でも、だいたい同じ部分にたまりやすいようです。ただし、歯が生えかわる時期の子どもや矯正中の人、歯並びが悪い人、さし歯や義歯がある人などは、一般的にたまりやすい部分のほかにも、食べかすや歯垢がたまりやすい部分が多いので注意しましょう。
個別のチェックが必要ですが、はじめに一般的に歯垢がたまりやすい部分を把握しておくと、よりブラッシングが効果的になるでしょう。
- 歯と歯ぐきの境目
- 歯と歯の間
- かみ合わせ面の溝
- 奥の歯の裏側
- 歯の側面の小さなくぼみ
- 前歯の裏側
「自分の歯の歯垢のたまりやすい部分をチェックしよう」
歯に残った食べかすが24時間ほどたつと歯垢に変化し、みがき残しをしやすい部分に歯垢がつきます。どんな人の歯でも歯垢のつきやすい部分はだいたい同じですが、ほかに歯の形や生え方、並び方、みがき方で歯垢のたまる部分は違ってきます。歯科医院でもみてもらえますが、家庭でもチェックできます染め出し剤で歯が赤く染まった部分は食べかすや歯垢がついています。みがき残しをしやすい部分を知ってその部分をていねいにみがきましょう。
みがく時のチェックポイント
ブラッシングのときの力加減やみがく順番など、きちんとした知識をもっていれば、同じ時間内でも効率よくみがくことができます。
「ゴシゴシみがきは歯と歯ぐきをいためる」
力を入れてゴシゴシみがくと、毛先がひろがってうまくブラッシングできません。 また、摩擦によって歯のエナメル質や歯ぐきをいためてしまい、歯みがきの効果はほとんどありません。
「歯ブラシはペングリップで持つ」
歯ブラシはしっかり握ってこすると力が入りすぎるので、えんぴつを待つように歯ブラシを持ちます。 この状態で歯に軽くあててこすると、ほどよい力加減になります。
「歯みがき剤の量に決まりはない」
歯みがき剤の使用量にとくに決まりはありません。ただ、使用することで歯垢除去効果を高め、薬用成分によってムシ歯予防、歯周病予防になり、また爽快感なども得られ、多くの効果が期待できます。
「一筆書きでみがき残しをなくす」
歯をどこからみがきはじめて、どういう順番でみがくかに決まりはありません。ただ、みがきはじめる起点を決めて一筆書きの要領でみがけば、みがき残しの心配は不要。みがき残しをしやすい裏側からみがくのも一案です。
「歯間ブラシやデンタルフロスを活用しよう」
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の狭いすき間の汚れはなかなか取り除けません。歯間ブラシ、デンタルフロスなどを併用しましょう。
「歯みがきが終わったら歯ブラシを乾燥させる」
水けを含んだままだと、歯ブラシに細菌が繁殖するので、使用後は洗って水けをきり、風通しのよいところに。