歯並びが悪くなり起こる弊害
歯並び、かみ合わせが悪いことによって起こる弊害は、 見た目の問題だけではなく全身に及びます。 あなたの歯並び・かみ合わせを、今すぐチェックしてみてください。
歯・歯肉
虫歯・歯周病になりやすくなる
歯並びが悪いと、歯が重なっていたりして歯みがきの際に歯ブラシの毛先がすみずみまで届かず、そこに歯垢や歯石がたまり、虫歯や歯周病などの歯の病気にかかりやすくなります。また、だ液には本来、口の中をきれいにする自浄作用というものがありますが、かみ合わせが悪くてよくかめないと、だ液の分泌量が少なくなり、口の中を充分に殺菌することができなくなってしまいます。このようにして口の中がどんどん汚れ、歯の病気にかかりやすい環境になっていき、口臭の原因にもなります。
あご
こどもにも増えている顎関節症の原因にも
口を大きく開けたとき耳の側でカクカクと音がしたり、口が大きく開けられない、あごの関節やその周辺に痛みがあるなどの症状はありませんか?これは顎関節症という病気で、子どもや女性に増えている現代病の一種です。原因には悪い姿勢や精神的なストレス、歯ぎしり、食いしばりなどがありますが、不正咬合も原因のひとつ。かみ合わせが悪いと、あごの関節に無理な力がかかって異常が現れます。顎関節症は、体の不調を引き起こす原因にも。また、かみ合わせの悪さはあごの成長も妨げ、上下のあごのバランスが悪くなったり、顔がゆがむこともあります。
消化器
胃腸に負担がかかる
食べものは、消化されてはじめて栄養源として体に吸収されます。まずは食べものを口に入れてかみくだき、のみ込みやすく消化しやすい大きさにします。また、かむことによってだ液を分泌させ、だ液に含まれている消化酵素と食べものを混じり合わせて消化しやすい状態にし、食べものを胃に送ります。かみ合わせが悪いとだ液の分泌も悪くなり、よくかみくだくことができずに、消化しにくい状態で胃に送られることになってしまいます。その結果、胃腸に負担がかかることになります。
発音
発音障害が起こる
受け口や開咬(前歯が閉じない)といった不正咬合の場合、サ行や、タ行の発音が不明瞭になり、言葉がとくに重要なアナウンサー、歌手、俳優などの職業の場合はたいへんなネックとなります。また、ひどいときは電話での会話や外国語を話すときに正しい発音ができず、相手に意味が通じない場合も。
精神面
歯に自信がないと性格にも影響する
人と話すとき、どうしても目がいくのが口元です。歯並びが悪いと、それがコンプレックスになって人と話すのがいやになり、人との接触を避けるようになったり、人前で大きく口を開けて笑うことができなくなってしまうことも、とくに『出っ歯』などはニックネームにもされ、いじめの原因にもなりかねません。
全身
原因不明のイライラや体調不良も起こる
かみ合わせが悪いと、何とかうまくかもうとしてあごに不自然な動きをさせることになり、あごや首の筋肉に無理な力がかかります。首や肩の周りには特に重要な神経や血管が集中していますが、疲れて、はれてしまった筋肉がこのたいせつな神経や血管を圧迫し、そこからつながっている体の各部に悪影響を及ぼすこともあります。不正咬合が引き起こす体の不調は多岐にわたり、頭痛、肩こり、胃腸障害、精神的な面ではイライラ、やる気が出ない、気分が沈むなど。体に不調があって病院に行っても原因がわからない場合は不正咬合の可能性が考えられます。
不正咬合の原因
歯並び、かみ合わせが悪くなる原因はさまざま。 以下の場合以外にも、虫歯の治療で入れた冠や義歯が合わなかったり、親知らずのせいでほかの歯が押されたり、成人になってから抜歯した場所をそのままにしておいたことなども原因になる場合があります。
遺伝親や兄弟と顔や体型が似るのと一緒で、歯並びもある程度遺伝します。遺伝するのは 頭やあごの形や大きさ、1本1本の歯の形や大きさなど。受け口や出っ歯なども遺伝する可能性が 高くなっています。 いくら本人が矯正を受けてきれいな歯並びにしても、その人の子どもの歯並びがはきれいに なるわけではなく、あごや歯並びに問題が出る可能性があります。
食べ方最近、日本人のあごが小さくなったといわれています、あごが小さいと、歯の生えるスペースが 狭くなり、本来生えるべきところに生えることができずに前後左右にずれて生え、歯並びが 悪くなります。子どものころにしっかりとあごを使ったかで、あごの大きさは左右されます。 やわらかいものばかり好んで食べたり、飲み物で流し込むような食べ方をしていると、 かむ回数が減ってあごが発達せずちいさくなってしまうのです。 子どものころからなるべくよくかんで食べることが、よい歯並び、かみ合わせをつくるためには 重要なのです。
癖
こどものころの癖は、歯並びに大きく影響します。まず指しゃぶりは、赤ちゃんのころであれば 影響ありませんが、3~4歳を過ぎても治らないようであれば注意が必要。歯科医に相談して、 指しゃぶり防止装置を使用する方法もあります。そのほかにも唇をかむ、唇を吸う、舌を突き出す、 いつも口を開けている、爪やタオルをかむ、ほおづえをつく、いつも体の同じほうを下にして寝ている なども要注意。これらの癖は、無理にやめさせるのではなく、子どもの心理面も充分に考慮しながら 徐々にやめさせるようにしましょう。
乳歯の虫歯乳歯が虫歯で早く抜けた場合や、ぶつけるなどで抜けてしまった場合、いずれ永久歯が生えてくる らとそのままにしておいてはいけません、乳歯には、永久歯が生えてくる場所を確保するなどの 重要な働きがあります、永久歯は生えるべき場所の目標がないと前方にずれたり傾いて生えたりして 歯並びが悪くなります。また永久歯との生えかわりがスムーズでない場合も歯並びに影響がでます。
病気扁桃腺(へんとうせん)、アデノイド、アレルギー性鼻炎などで鼻で呼吸できず口で呼吸 する癖がついてしまうと、不正咬合の原因になることもあるので早期に発見して治療する必要が あります、また、内分泌障害、とくに脳下垂体や甲状腺の障害も歯並びに影響します、たとえば 脳下垂体の機能が異常亢進すると、下あごの骨が成長しすぎて不正咬合を招きます。
不正咬合の予防
永久歯のきれいなかみ合わせは乳歯時代が決め手です
永久歯がきれいな歯並びになるかどうかは、乳歯時代に決まるといっても過言ではありません。歯は、あごの骨の上に生えてくるので、あごが永久歯が生えるのに充分なスペースに育つことが大切です。あごはかむことによって細胞内に栄養素をもらい、あごの骨をつくります。乳歯の頃から適度にかたいものを時間をかけて、よくかみながら食べる習慣を身につけたいものです。あごが充分に育ち、永久歯が生える場所が確保されれば、歯並びがきれいになり、かみ合わせもよくなります。また、毎日の姿勢や癖なども歯並びやかみ合わせに影響します。
ここをチェック
・顔を正面から見たときに目の大きさ、耳の高さに左右で違いがないか?
・唇の線やあごが曲がっていないか?
・舌で前歯を押すなどの癖がないか?